本作『アルバート家の令嬢は没落をご所望です』は、
漫画:彩月つかさ先生、原作:さき先生、キャラクター原案:双葉はづき先生による異世界転生漫画です。
目次
作品概要・あらすじ
気付くと乙女ゲーム「ドキドキラブ学園」の悪役令嬢メアリーになっていた女性が主人公の作品です。なろう系で一大ジャンルとなっている悪役令嬢モノにカテゴライズされる物語で、悪役令嬢に転生した主人公が様々な逆境を乗り越えて目的を達成しようと奮闘します。
これまでの悪役令嬢モノは主人公がヒロインに敗北して没落するのを防ぐパターンが多かったですが、本作は逆に主人公が積極的に没落しようとします。転生する前は乙女ゲームのファンだった主人公がなぜ自ら進んで没落しようとするのかは本作の見どころの1つです。
本来なら敵であるゲームのヒロインから好かれるなどの悪役令嬢モノで定番の展開や、四面楚歌な状況を立ち回る痛快な展開などが楽しめます。
登場人物紹介
メアリー・アルバート
主人公は、物語の舞台となっている乙女ゲームを過去にプレイしていた女性という以外は何も分かっていません。劇中ではずっとゲームキャラクターである「メアリー・アルバート」の名前で呼ばれています。
ゲームに登場したメアリーは典型的な悪役で、ヒロインにいじわるをしたり、従者を痛めつけるお嬢様ですが、中身がゲームプレイヤーに入れ替わった劇中のメアリーはやさしく思いやりがあり、自分のことは二の次の、少し甘めなお人好しです。蹴落とすべきヒロイン・アリシアが周囲から馬鹿にされるようなイベントに突入したら放っておけずに色々アドバイスをする始末。
王族に次ぐ実力を持つアルバート家の令嬢にも関わらず高飛車なところが無く、自転車で通学します。これまでの悪役令嬢モノでは見られなかった庶民的な悪役令嬢です。
アディ
ゲームでは嫌々ながら主人であるメアリーに従う冷徹な従者という設定でしたが、劇中におけるメアリーとの関係は友人関係のように対等でフランクなものになっています。お互いに軽い皮肉を言い合う仲で、上級貴族にもかかわらず自転車登校をしたり、コロッケを常食する変わり果てたメアリーに振り回されながらも慕っている様子。
主人に想いを寄せていますが、身分の違いから一歩引いているところも健気です。メアリーとのカップリングがどうなるのかは注目です。
アリシア
乙女ゲームの主人公にありがちな設定をされた彼女は真面目でまっすぐな性格。初対面でメアリーからツンデレな対応をされてからメアリーを慕うようになり、メアリーがどんな皮肉を言ってもポジティブに受け止める始末です。
メアリーの父親が主催したパーティーに参加した時は、フリフリ過ぎて場違いなドレスを着て恥をかくイベントが発生しそうになりますが、これもメアリーのサポートで回避。ことあるごとにライバルである悪役令嬢メアリーのサポートを受けて成功への階段を登ります。
メアリーの父親
あまり登場しませんが、気になる存在です。王族に次ぐ力を持つアルバート家の党首であるにもかかわらず、おごったところが全く無く、むしろ周囲の人を信じ、多くの人から信頼される大物です。人当たりも良く、娘の恋敵であるアリシアとパーティーで初対面したときもやさしく接します。
誰からも尊敬されるような人物でありながら、ゲームでは王族をしのぐ勢力を持とうとしたために一族ごと処罰され、再起不能になるとされていますが、とても信じられません。運命に抗うためメアリーが裏で奮闘していることに、どれだけ気付いているかは気になるところです。
パトリック
ゲームのシナリオに影響を受けながらも、独自の判断で行動している魅力的な人物です。メアリーの許嫁的な有力貴族の子息で、将来は国を背負って立つ存在。しかも容姿端麗なので当然周囲の女性からは羨望のまなざしが寄せられます。
ゲームでは本命とも言える攻略対象なので、当然ですがアリシアに心を奪われます。しかしメアリーを慕っており、メアリーがトラブルに巻き込まれた時はアリシアと協力して彼女をかばおうとします。ゲームシナリオに抗えるキャラクターとして注目です。
見どころ – 好きなシーン
メアリーがアリシアにアドバイスする場面です!
平民の出身で、しかも天然なところが強いアリシアは次々に奇行を繰り返します。服装から始まり、貴族のマナーが分からなかったりと、放っておいたら学園内で孤立しそうな勢いです。
それをメアリーが悪役令嬢を演じながらフォローするところがオモシロイです。本来なら主人公を蹴落とす役回りの悪役令嬢メアリーが、悪役を演じながら恋敵を助け、そんな彼女をアディーが助ける展開は微笑ましく見ていて明るい気持ちになるでしょう。
見どころ – 関係性、ここに注目!
注目のカップリングは主人公メアリーとアディです!
主人と従者、上級貴族と孤児院育ちの平民という隔絶された立場の違いから、本来ならカップリングはありえない2人ですが、作中ではお互いに想いを寄せる場面が度々描かれます。
アディが、この世界がゲームであることをメアリーから打ち明けられて、それをそのまま受けとめて自分が仕えるアルバート家が没落するために尽力するのは、ひとえにメアリーへの想いのため。
メアリーもアディに側にいて欲しいと感じており、最後きちんと没落し、2人が結ばれるのか気になるところです。
ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!