『鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ』~ あらすじ・キャラ・見どころ紹介!

本作『鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ』は、
漫画:日森よしの先生、原作:たままる先生、キャラクター原案:キンタ先生による異世界転生漫画です。

あらすじ

 四十歳すぎのおじさんである但箭英造は、疲れた体を引きずり会社から帰宅する途中、トラックに轢かれそうになっていた猫を助けて死亡する。

 しかし猫は並行世界を渡る監視者であり、普通の猫ではなかった。猫は自分のせいで失われるべきではなかった命が失われてしまった世界の調整をせねばならず、但箭を異世界に転生させ、代わりの命を呼び寄せる事にする。

 猫から異世界転生を提案された但箭は「鍛冶師」を望み、年齢を十歳ほど若返らせてもらった。言語や鍛冶の知識、生活様式や武術などは脳へと直接インストールされ、黒の森の東に用意してもらった小屋で鍛冶屋として生活を始める。

 そうした先で大怪我をして倒れていた虎の獣人サーミャを拾い、鍛冶弟子を望み願い出たドワーフのリケを受け入れ、三人で楽しく暮らしていたが、出来の良すぎる剣は力を呼び、依頼主と共に面倒事が舞い込んでくる。

登場人物紹介

但箭 英造(たんや えいぞう)

 40歳すぎの会社員。転生後は30歳ぐらい。猫が好き。午前様残業の帰り道で、トラックに轢かれそうになった猫を助けたら異世界転生する事になった。望んで「鍛冶師」にしてもらったが、伝説の剣を産み出す可能性を秘めたスキルは特別性。戦闘力も高い。

 虎獣人のサーミャ、ドワーフで鍛冶弟子のリケと同居している。黒の森の東に住み、剣やナイフを作って町へ売りに行っている。露店売りで日銭を稼いでいたが、商人カミロの目に留まり彼の店で売るようになる。

 親しい者以外には「エイゾウ」と名乗っている但箭は猫好きで、虎獣人のサーミャには秘密だが、彼女へ同居を勧めた理由として「猫を飼ってみたかった」という動機がある。

サーミャ

 虎の獣人。黒の森の北と西でねぐらを回していた。嘘をついた時(大きな感情の変化)の人間の匂いがわかる。

 大黒熊に襲われて重傷を負い、湖のほとりで倒れていた所をエイゾウに助けられる。最初は怪我が治るまでという約束で同居していたが、一緒に暮らしている間に心地良くなり、怪我が治っても同居を続けている。

 エイゾウが町へ行く時は護衛として同行し、町では買い出しを手伝っている。日常的には狩りを行い、食料を持ち帰る事を仕事にしている。

リケ・モリッツ

 ドワーフ。鍛冶見習いの弟子。師匠を求めて旅をしている途中、エイゾウの剣を見て弟子入りを願い出る。

 エイゾウの技術はスキルである事から教える事は出来ないが、「師匠の技を目で見て盗む」を実践し、修行を経て技術を高め、エイゾウの代わりにナイフなどを作っている。

 技術が高すぎるゆえに全力鍛冶をせず、上出来である剣やナイフを売りに出している師匠の「本気道具」を目の当たりにする度に大興奮して目を輝かせている。

カミロ

 エイゾウが露店売りしていた剣やナイフを買いに来ていた旅の商人。町で店を出す事を決め、エイゾウの武器を独占販売する契約を交わす。

 注文依頼が来た時はカミロが人物判断を行い、許可を出した相手には「一人でエイゾウの家まで行く」事を提案している。これはエイゾウの出した条件であり、魔物や野盗が行き交う森の家まで来る事が出来る実力者からの依頼ならば受けるという選別だ。

 野心溢れる商人カミロは目利きの腕を磨いて運を掴み、堅実に成り上がって行く。

マリウス・エイムール

 伯爵家三男。エイムール伯爵家は長男リオンが継ぐ予定であった事から、三男マリウスは町の衛兵をしていたが、エイムール伯爵と長男リオンが国境付近に出た魔物を討伐に向かった先で討ち死に。さらに逃げ帰った私兵の証言で、二人の死に疑わしい所がある事が判明する。

 次兄カレルの関与を疑ったが、証明は難しく、このまま次兄カレルが跡を継ぐ事になると思われたが、継承順位はマリウスの方が上になっていた。これはマリウスが正妻の次男、カレルが妾腹の子であったからだ。

 その日からマリウスへの妨害が始まり、同じ正妻から生まれた妹ディアナへも火の粉が降りかかる。マリウスは妹を逃がし、次兄カレルと対峙する為に町で親しくなっていたエイゾウを呼び寄せ、彼の作った剣でエイムール伯爵の地位を手に入れる。

見どころ – 好きなシーン

 エイゾウ、サーミャ、リケの三人暮らし

 一人暮らし用の小屋を貰ったエイゾウは、同居人が増えた事で増築を決意します。師匠の本気道具の切れ味にリケは大興奮。三人で仲良く増築を行い、畑も作ります。サーミャが狩って来る獲物を保存する小屋も欲しいねと話し合い、和気あいあいと暮らしてゆく三人がとても好きです。

 エイゾウは料理上手で、ご飯はとても美味しそう。サーミャやリケが作ったご飯場面も増えると嬉しいです。

 黒の森は獣が多く、道沿いには野盗も出る危ない場所。町へ行く時はエイゾウが荷車を引き、サーミャが護衛、リケが付き添いをしています。大荷物を持って町まで行くのは大変ですが、三人は道中も楽しそう! 町に行って納品して必要な物を買って帰ってきました、だけではなく、三人で買い物したり、ご飯食べたり、娯楽したりする場面がもっとあると嬉しいなと思いました。

見どころ – 関係性、ここに注目!

 エイゾウとサーミャです!

 大黒熊に襲われて死にかけていたサーミャを拾い、治療して家に居るように勧めたエイゾウの心理は「猫耳美少女と暮らす」よりも「猫を飼いたい」の方が大きかったように見えました。獣人族の少女に言ってはいけない言葉なので胸の内に秘めていたし、サーミャの方も知らない人間に対する警戒心がありました。二人はまさに人間と拾った仔猫のように、お互いの様子を伺いながら少しずつ慎重に距離を詰め、サーミャの怪我が治るまでの長い時間をかけて仲良くなりました。

 この穏やかな時間がとても好きです。好意と信頼。その先に恋心が芽生えてきたサーミャですが、エイゾウの周りには魅力的な女性が次から次へと現れます。エイゾウの方もサーミャの事は可愛く思っているようですが、歳の差が壁になっているように見えます。出会った時のように二人の間で恋心が育ち、相愛の関係になるといいなと思います。

 ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!