『とんでもスキルで異世界放浪メシ』~ あらすじ・キャラ・見どころ紹介!

本作『とんでもスキルで異世界放浪メシ』は、
漫画:赤岸K先生、原作:江口連先生、キャラクター原案:雅先生による異世界転生漫画です。

あらすじ

 日本の普通のサラリーマンだった向田剛志が異世界に召喚されると、そこには自分以外に3人の高校生がいました。勇者と呼ばれたその3人のステータスより弱々しい自分は勇者でないからと、向田(ムコーダ)は自ら城を出ていきます。

 なるべく目立たないように、着ていたスーツを売って周りに馴染む服を手に入れます。落ち着いた所でステータスを確認すると、ムコーダのスキル「ネットスーパー」がまるでそのまんまオンラインショップ。お金を入れて注文ボタンをポチっとするだけで、ステータス画面から段ボールが出てくる仕組みです。

 そしてネットスーパーで買った異世界食品にはバフ(有利な状態が発生すること)がついていて、それを食べるだけでも強くなるのに、料理が得意なムコーダが調理すると、もっと料理がバフになることもわかりました。

 そんな食事をしつつ、やっと別の国にたどり着くという所で、食事中のムコーダに近づいたのは伝説の魔獣フェンリル。美味しそうなご飯に「食べさせろ」と圧をかけられ、仕方なく分けてあげると、もっと、もっとと結局満足するまでおかわりを要求されてしまいます。

 強面でツンデレな従魔との出会い。周りの人たちがドン引きするも、自分の餌は自分でとってこいと言っちゃうムコーダ。その後も従魔が増えていくのですが、主人公のご飯目当てのツンデレさんがいっぱいで、あちこちの魔物を一掃してはあちこちのギルドの人たちを驚かしていきます。

登場人物紹介

ムコーダ(向田剛志)

 現代人の典型のようなサラリーマンだった主人公・向田剛志。三人の高校生に混ざって召喚されてパニックになるも、王様やお妃様の宝飾品をたっぷり着けたでっぷりとした見た目と、困っているという話の矛盾を冷静に観察して、すぐに自分は勇者でないからといくらかのお金をもらって城からでることを提案します。

 そんな冷静でマイペースな性格は、臆病な面をカバーして、伝説の従魔に対する強気さだったり、領主の使いに対しても領主との対面をしっかり断るところで、魅力的に見えてきます。途中でムコーダに会う人たちを、マイペースさで巻き込んでいく所も面白いです。

 他のキャラクターが濃いので埋もれがちですが、お風呂にこだわる日本人らしさとか、神様たちへのお供えの場面では段ボールをお供え台にするところなど、なんとなくほっとさせてくれるキャラクターです。

スイちゃん

 フェンリルの結界に紛れ混むくらい弱々しい生まれたてのスライムでしたが、異世界のプラスチックゴミや食べ物などなんでも食べていたことで、ビームが打てるようになりました。

 何でも食べるから、草から回復薬を作れるようになったり、なんと船になったりすることも。キッチン用具まで作れる万能スライムになっていく様子は楽しくて仕方ないです。一家に一匹スイちゃん。

フェル

 最強フェンリルです。伝説の魔獣として、町を殲滅したこともある恐ろしさが時々見えますが、食べ物の前ではムコーダに形なしで、なんでも丸め込まれてしまうところが可愛くて仕方ないです。

 ムコーダがピンチになるとさっと会話に入ってきたり、ダンジョンなどでの狩りでは山になるほど獲物を取ったり、とても頼もしい従魔。

 第一にお肉、第二にお肉、三四にスイーツ、五にお肉な野菜嫌いの従魔。最高です。

エルランド

 ドラゴンをこよなく愛するドランのギルドマスター。

 ピクシードラゴンのドラちゃんに会いたくて、並んで町に入る許可待ちの人たちを押し退け、主人公一行を迎えにきたり、そばに居たくて主人公の家をストーキングしたり、やりたい放題ですが、なんか憎めないキャラクターです。

ランベルト

 革製品を扱う店の商人です。魔獣に襲われていたところを、主人公たちに助けられたのですが、そのお礼にバッグをくれる太っ腹商人。

 奥さんに尻に敷かれつつ、しっかりシャンプーなどをムコーダから仕入れ、大儲けするちゃっかり者です。

見どころ – 好きなシーン

 やっぱりキャラクターがそれぞれ特徴があって、どんどん話に引き寄せられるのが魅力ですね。従魔が増えるとだんだん他のキャラクターが霞んできそうなところですが、家族のようにどんどん深みが増していきます。

 それだけでなく、料理を振る舞っている主人公がとても楽しそうで、作り方も説明しながら作っているので、思わず一緒に作りたくなってしまうんですよね(唐揚げのお肉は異世界の魔物なんで、同じものは食べられないですが)。読んでいて楽しいです。

見どころ – 関係性、ここに注目!

 カップルというか一方通行の片思いですが、ドラコンを血や骨まで愛してしまったエルフ、エルランドさんとその犠牲、従魔のピクシードラゴンのドラちゃんと、エンシェントドラゴンのドラ爺のやりとりが最高に面白いです。

 ドラゴンのことになると盲目で、ギルドマスターの仕事もほったらかしにしちゃうほど、もう愛がねちっこいと言うか重くて、それが楽しいです。あそこまで好かれると重すぎて、想いを受ける側も逃げるしかないと思います。

 ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!