転生貴族、鑑定スキルで成り上がる ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~ あらすじ・キャラ・見どころ紹介!

本作『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~』は、
漫画:井上菜摘先生、原作:未来人A先生、キャラクター原案:jimmy先生による異世界転生漫画です。

あらすじ

 35年間平凡な人生を歩んできた主人公の会社員は、ある日帰宅と同時に疲労により突然死してしまう。そして、気づけば異世界の貴族の子息アルス・ローベントとして転生していたのだった…。

 アルスは勉学に励み、異世界の知識を把握していく。3歳になった頃には、自身に『鑑定スキル』という特別な能力が備わっている事に気づいていた。このスキルで対象を鑑定すれば、現在の能力値から潜在能力、対象の適性を解析する事ができた。アルスはこのスキルを使って領地の兵士の才能を開花させていき、父レイヴンはアルスの才能を見る眼に称賛を贈る。

 しかし、勉強を続けて数ヵ月、アルスはこの国の未来が明るくないことを悟ってしまう。政権の腐敗、農民の反乱、やがて乱世に突入するであろう未来。遠くない未来、アルスは兵士を統率して戦場に赴かなければならない。アルスは、自分に優しくしてくれた領民を守るため、将来有望な人材を探しに市場に出掛けるのだった。

 圧倒的な戦闘力を誇る執事リーツ、高い魔力を保有する魔法使いシャーロット、ずば抜けた知力を持つ天才少年ロセル。アルスは信頼できる臣下を持ち、徐々に地盤を固めていくのだが…。
 アルスの想像通り、国の不穏な雲行きの兆候、許嫁リシアの存在、そして父レイヴンの罹患。果たしてアルスは次期領主として領民を守り抜くことができるのだろうか…。

登場人物紹介

アルス・ローベント

 ランベルク領を治める貴族の子息。固有能力「鑑定スキル」を使って個人の能力適性を見極める事が可能です。優しい使用人や領民に囲まれてすくすくと成長したおかげで、性格も温厚で一定以上の人望を集めています。ただ、態度は弱腰な面もあり、口調も敬語のせいか、若干甘く見られる事もしばしば。

 9歳の時、父が罹患した際は代理領主として会議に出席。そうそうたる顔ぶれの中で戦略を語るなど、子供ながら統率者としての頭角を発揮していきます。また、父の死を経てからの鬼気迫るアルスは、以降その意志を継いで凛々しい顔立ちになりました。

 アルスの人柄の良さは上位貴族や上司にも伝わっているようで、子供ながら確実に実績を積み上げた手腕を買われて、難しい任務を一任されるほどになります。

 裏家業を専門とした傭兵団団長マザーク、元総督参謀を務めた曲者ミレーユの二人に気に入られるなど、アルスの止まらない躍進と、父レイヴンを彷彿とさせる胆力はこの作品の魅力の一つです。

リーツ

 リーツは、黒い髪と浅黒い肌が特徴のマルカ人の少年です。差別意識が横行する国内ではマルカ人の就職率は悪く、リーツも幼少の頃から傭兵団に育てられてきました。しかし、傭兵団の全滅から浮浪者として路地で生活していたところ、アルスの鑑定を受け、家臣として返り咲きます。

 執事として学問を修め、主人の補佐を完璧にこなしますが、アルスを愚弄されると静かにキレ出し、すぐに手を出す危ない一面を持ち合わせています。が、その戦闘力は随一で、その潜在能力はレイヴンに認められるほどです。

 また、アルスの知らない所で「ローベントの黒い死神」の異名を轟かせていました。

シャーロット

 シャーロットは、衣食住を共にする孤児の為に盗みを繰り返している悪ガキ少女でした。アルスから財布を盗むといった最悪の出会いでしたが、奴隷商人から救われた事で家臣になる事になりました。

 卓越した魔法の才を見たレイヴンは即座に彼女を気に入り、戦場へ同行させることで魔法使いとしての実力を誇示させました。その後、魔法隊長にまで上り詰め、その功績から「ローベントの姫」と呼称されています。

 性格は姉御肌に近く砕けた口調で、胸の成長が著しいです。また、アルスへは忠誠心以上で、冗談なのかアルスと結婚するなど口走っている場面もあります。

 給金はほとんどを孤児院に納めて孤児達の将来の道標を増やす手助けをするなど優しい面もあり、シャーロットの人柄の良さを表しています。

ロセル

 アルスの家臣の中では最年少です。ロセルは父や兄達と違い、体力もなく体も弱い内向的な性格で、母の死後は更にネガティブになり殻に籠っていました。しかし、ロセルの才能は知力にあり、策略に長けた天才的頭脳の持ち主でした。

 狩猟を家業にする父達に「罠」を発案したのもロセルであり、アルスと出会ってからは将来の参謀として勉学に励むようになります。

マザーク

 傭兵団シャドーの団長マザークは、若い女性の容姿をした青年で、斥候や諜報を得意にする裏社会の人間です。初見でマザークを団長と見抜いたアルスの目利きや、リーツ達を従え慕われているその人望に興味を抱き、アルスに協力的になります。

 作中で有力な情報源を軽々入手してくるなど、戦局を左右し得るような重要な役を担っており、頼もしい情報屋といった印象です。

見どころ – 好きなシーン

 本作は、何れ動乱の戦へと傾く可能性が示唆されている事から、決して皆で仲良く成長するだけではありません。度重なる戦地への出陣、一触即発の同盟国等の兆候が事細かに展開していく事で読んでいて緊張が伝わってきます。

 そして、第一話導入で描かれた父レイヴンの死へ繋がる物語は、アルスの心情を全力で表現しており胸打たれる描写となっています。現時点の力の無さ、戦地へ赴く恐怖心、父の偉大な背中、それらを糧に成長するアルス。領地を引き継ぎ、緊迫感ある統率者からの視点は数々の葛藤を孕んでおり、その魅力溢れる展開は常に読者をわくわくさせてくれます。

見どころ – 関係性、ここに注目!

 アルスとリシアの関係性です!

 アルスの許嫁のリシアは、一見可憐な美少女貴族令嬢ですが、鑑定結果は「突出した野心の塊の持ち主」でした。同年代の子供で、高い野心を隠し持っているということで、警戒したアルスは当初一線を画して接しますが、そのギクシャクした行為からリシアもまた警戒してしまうことに。

 ただ、令嬢であるリシアは社交界に顔を出す度に貴族社会の腹の探り合いを体感しており、また父の苦悩を見て甘えたい本心を隠すようになってからは、相手の表情から思考を読み取る能力に長けていました。その為、リシアから親交を深めていく内にアルスの警戒心が解け、腹を割って対話することで二人の関係は接近していきます。その甘酸っぱい雰囲気はちょっとした恋愛漫画のようです。

 また、レイヴンの死後は、共に支え合う覚悟を示すように子供ながら結婚を果たします。リシアは交渉力に秀でた話術を武器に、数々の交渉をアルスの代わりに果たすなど、良妻としての力を読者に見せつけてくれます。

 ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!