本作『四度目は嫌な死属性魔術師』は、
漫画:児嶋建洋先生、原作:デンスケ先生、キャラクター原案:ばん!先生による異世界転生漫画です。
目次
あらすじ
主人公は、修学旅行中にテロに遭遇、船が沈没し、クラスメイト全員が死亡するという事故に遭ってしまいます。神は、全員を様々な世界へと転生させようと試みます。主人公は、神からチート能力を与えられるはずでしたが、神は、同じ名前で似たような青年に間違ってチート能力を与えてしまい、主人公はチート能力を与えられないまま3回もの転生を果たすことに…。
そして4度目、主人公はファンタジーの世界に転生を果たします。主人公は、前世において、死者をよみがえらせること、霊魂をこの世につなぎとめることができるようになっていました。
ただ、ファンタジーの世界において、ネクロマンサー(死属性魔術師)のようなものは嫌われる傾向にあり、主人公を産み落とした母もダークエルフという理由で殺害されてしまいます。しかし主人公は、自身が獲得したその能力で、何とか母の魂をつなぎとめ、神への復讐を誓い、旅に出るのでした…!
登場人物紹介
ヴァンダルー
転生前は、幼い頃に両親と死別、伯父家族の家での生活は幸せなものとは言えませんでした。転生後の2度目の人生や3度目の人生においても、人体実験を受けて死亡するなどさんざんな目に遭うことに。
しかし、主人公は、あきらめないという強い意志があり、かつ排除しようとする者に対して容赦しないという気質があります。この気質は物語が進むにつれだんだんと強くなり、チート能力こそ持たないものの、次第に神自身が困惑するほどにまで、能力が膨れ上がります。
なお、虐待を受けて育ったが故か、優しさを持ち合わせてはいるものの、同時に非道徳的な行為を平然とやらかします。善と悪がバランスをとっていて、悪になる必要があれば悪になる、というタイプです。通常の異世界転生物の主人公のような単なる善人ではありません。
骨人
ヴァンダルーが繋ぎ止めたネズミの霊魂を、そこらへんに転がっていた人骨に入れた際にできたスケルトン。忠誠心がものすごく高く、騎士を自称しています。次第に、後から加わるパーティーメンバーのほうが戦闘力が高くなり、落ち込みがちに。
レベルアップを繰り返すことで骨格が変化するので、見た目以上に硬く、元がネズミであることを考えると、飛躍的にヴァンダルーの助けにはなっています。ヴァンダルー本人も、人の姿である点と様々な道具を使用できる点を利点として挙げています。
サム
貴族に仕える従者でしたが、娘ともども山賊に殺害されてしまいます。亡霊となった後、馬車に魂がこもり、移動用の道具として転生します。
もともと霊力が高かったためか、人間としての形を完全に維持しており、見た目は人間と変わりません。そのため、食事をとることもできるキャラクターです。
娘もヴァンダルーの力で転生しており、ヴァンダルーの従者となります。
自慢の馬車の車輪で敵をひき殺すのが趣味になり、ヴァンダルー陣営を襲う者を次々とひき殺します。
サリア
サムの娘で、なぜかマジックアイテムである、落ちていたハイレグアーマーのようなものに転生しました。転生前はメイドだったため、戦闘力はありませんでしたが、レベルアップを駆使することで怪力になりました。
神
主人公が転生する際、名前と容姿が似た少年と主人公とを間違えた戦犯。様々な世界に干渉できる能力があります。
ただ、主人公自身は神を殴ろうとしたことから、おそらくレベルさえ上がれば神をも超えることができる世界を作り上げていると思われます。よって、絶対の存在ではあるが、超えられる可能性がある絶対的な存在です。
見どころ – 好きなシーン
主人公が、普通に暮らしたいと亡き母に語るシーンがおすすめのシーンです。
最初の頃こそ、主人公は神に復讐すると息巻いていたのですが、物語が進むと主人公は徐々に仲間意識を持つようになり、次第に復讐はどうでもよくなってきます。みんなと静かに暮らしたいと、まるで王様のようなことを言い出します。亡霊の母に静かに暮らしたいといったのはおそらく本心でしょう。
見どころ – 関係性、ここに注目!
ヴァンダルーとザディリスの関係性はとても良い関係だと思いました。
ただ、ヴァンダルーの場合、女性が傷つくことをものすごく嫌う傾向があるため、女性が暴力行為を受けていれば助けます。その際、女性側はヴァンダルーが助けに来るが故、好きという感情が生まれますが、おそらくヴァンダルー側には好きという感情はないと思われます。
もっと言えば、ヴァンダルー陣営のすべての女性陣が、ヴァンダルーを好きであると言い切れ、リビングデッドであるサムの娘のリタ(サリアの妹)はヴァンダルーを狙っていますので、この漫画においては、残念ながらカップリングが成立しているとは言えません。
ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!