公爵令嬢の嗜み あらすじ・キャラ・見どころ紹介!

本作『公爵令嬢の嗜み』は、
漫画:梅宮スキ先生、原作:澪亜先生、キャラクター原案:双葉はづき先生による異世界転生漫画です。

あらすじ

 公爵令嬢であるアイリスが前世の記憶を取り戻したのは、まさにプレイしていた乙女ゲームのバッドエンドルートの真っ只中であった。婚約破棄を言い渡され、公衆の面前で断罪されるアイリスであったが、なんとか貴族としての品位を保ち、学園を後にする。

 最悪なバッドエンドである修道院送りを回避すべく父との面談に挑み、領主代行という地位と内政という名の謹慎をもぎとったアイリス。領地に帰参後は、前世での経験や知識を活かし、商会を立ち上げたり、領民の暮らしを改善するために制度改革に取り組む毎日をおくる。

 多忙な毎日の中で、周囲の人達の優しさに触れたり、新たな出会いの中で、たくさんの人々の想いに触れ、幸せを噛み締めるアイリス。しかし、そんなアイリスは様々な陰謀に巻き込まれ、何度も窮地に立たされる。

 人々に助けられ、前を向くアイリス。最後に迎えるのバッドエンドなのか、果たしてハッピーエンドなのか、公爵令嬢アイリスの逆転劇が今始まる。

登場人物紹介

アイリス・ラーナ・アルメリア

 アルメリア公爵家の第一子。父は宰相であり、王族に次ぐ地位にある。公爵令嬢として十分な礼儀作法と教養を身につけており、振る舞いは実に気品がある。母譲りの、銀髪は人々の目を惹くものがある。

 前世は、会計事務職に就いており、そのため、政治や経済にあかるい。記憶を取り戻して以降は、前世の「ワタシ」とアイリス本人である「私」としての記憶や意思が混同しているため、意思決定の際には何度も対立することがある。現代的な政治政策を打ち出し、領地改革に取り組むだけでなく、自身が立ち上げた商会も軌道にのせていく。

 貴族としての義務感と使命感が強く、自分で抱え込みすぎることがある。そのため、領主代行として内政に就いてからは、過労で倒れることもある。

 前世での趣味は、ヨガや化粧品、シャンプーなどを作ることであり、趣味であったヨガが功して、領地に帰参後は、誰もが驚くほど、劇的に容姿体型が変容している。その変化は、実弟であるベルンですらアイリスであることに気付かないほどであった。

 記憶を取り戻す前から、身内には優しく接していたため、アイリス個人に忠誠を誓うものもいる。

ディーン

 アルメリア公爵領の商業ギルドの人材派遣制度を利用し、アルメリア公爵家に臨時で雇い入れられていた。正確、かつ綿密な報告書が上がってきたことでアイリスがその手腕に注目する。

 横領の報告があったため、相対して接するようになると、アイリスからその能力を買われ、常勤として働くことを提案されるも、実家の都合で長期勤務が難しいため、この契約を断ることに。しかし、自身の都合が合えば雇い入れる短期契約をアイリスより提案され、ディーンは自分に都合の良すぎるものではないかと心配になりながらも快諾した。

ターニャ

 アイリスが幼い頃にスラム街より救出した女性。親衛隊の1人。少し癖っ毛の黒髪で、後ろで一つにまとめている。

 アイリスの専属侍女であり、領地に帰参することが告げられると二つ返事でついていくことを伝えるほど、アイリスに忠誠を誓っている。アイリスの身の回りの世話はもちろん、護衛や秘書などの仕事もこなす、有能な侍女である。

 訓練を受けており、一撃で敵を仕留める攻撃を得意としている。情報収集の能力も高く、アイリスが必要な情報を的確に掴んでくる。

ライル

 ターニャと同じく、スラム街から救出された。元は孤児である。容姿は金髪で、体格ががっしりとしている。騎士のような紳士的な振る舞いに徹しており、非常に礼儀正しい。ディダの粗暴な言動を諌めることも多い。

 剣の腕前は確かであり、幼少よりアイリスの祖父より訓練を受けている。その腕前は騎士団から勧誘を受けるほどである。自身の剣はアイリスに捧げると、アイリス個人に忠誠を誓う。力に特化した剣劇を得意としている。

ディダ

 ライルと同じく、孤児であり、スラム街よりアイリスから救い出された。癖っ毛の茶髪を一つに束ねており、飄々とした性格である。

 アイリスのことを「姫様」と呼び、領地の闇から遠ざけようとしたり、アイリスの覚悟を試したりするなど、つかみどころがないところもある。アイリスに対して、率直に意見することもある。粗暴な言動をとることもあるが、アイリスに絶対の忠誠を誓っている。

見どころ – 好きなシーン

 ダリル教より破門宣告を受け、それを撤回させるためにアイリスや、アイリスのためにディーンやターニャ達が奮闘するシーンは手に汗を握る。新設された教会で、アイリスが堂々と演説をする姿やディーンの真の姿が描かれていく、まさに物語のターニングポイントである。

 また、父親の直接的な愛情ではないものの確かな信頼と、それを知ったアイリスの表情がなんとも言えないものがある。アイリスが窮地に追い込まれ憔悴する中で、これまでに出会った人たちに助けられながら、窮地を乗り越えていく姿は感動する。

 実弟のベルンとの関係の変化も丁寧に描かれ、ベルンの成長も感じ取ることができる物語きっての感動シーンであると思う。

見どころ – 関係性、ここに注目!

 アイリスとディーンの関係の変化は、この物語のキーになっていると思う。アイリスが、親衛隊の者達には見せることができない弱った姿をディーンには見せたり、感情を激しくぶつけたりすることも、互いに特別な感情で繋がっている関係性が感じられて何とも言えない。

 しかし、婚約破棄の一件で、特別な感情を抱くことに恐れを抱いているアイリスと、アイリスのためであればどんなツテでも切り札でも使って救おうとするディーンの姿に切なくなる。

 物語の中盤では、アイリスがディーンへの気持ちを自覚し、涙するシーンも。切実に幸せになってほしいと願う関係性です。

 ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!