本作『異世界建国記』は、
漫画:KOIZUMI先生、原作:桜木桜先生、キャラクター原案:屡那先生による異世界転生漫画です。
目次
あらすじ
大学の帰り道、主人公アルムスはトラックに轢かれて異世界に転生してしまいました。転生先は、現地で崇めたてられている【グリフォン】の領地内です。
猛々しく人間を追い払おうとするグリフォンですが、性格はツンデレっぽく、何だかんだで捨てられた子供たちを保護していました。とはいえ、魔物に人間の生態が分かるはずもなく、世話に苦戦していたところに迷い人のアルムスが現れたのです。グリフォンは領地に勝手に入ってきたアルムスの不敬を見逃す代わりに、彼に子供たちの世話を押し付けてしまうのでした。
3年間の期間限定で生活の保証を約束されたアルムスたちは、必死に現地の言葉を覚え、狩りや畑作をし、近隣の街へ換金に出かけ…、と生活基盤を整えていきます。街では未来の嫁・ユリアと出会い、アルムスの立身出世劇が始まります!
登場人物紹介
アルムス
突然子供たちの世話、まとめ役を任された20歳の転生者。ツンデレグリフォン様が『言語の加護』(期間限定)を授けてくれても、加護がなくなる3年後を見据えて、自力で言語を扱えるように勉強するしっかり者。
そして、ちゃっかりテトラとユリアの両幼馴染を娶る(幼馴染と結婚するのは男のロマン)抜け目のない男です。
『大王の加護』という、能力を向上させる力を持っているので、並みの実力では相手になりませんが、アルムスのユニーク能力ではないので、同じ加護を持たれることもあり、一騎打ちの場面では油断は禁物です。
テトラ
アルムスの幼馴染。実は没落したアス家の息女でした。ちびっ子たちの中では、他言語や数学の知識を初めから備えており、何らかの教育を受けていた可能性が示唆されていました。
子供の頃からアルムスに懐いており、鈍感なアルムスの何気ない行動に過敏に反応してしまい、アルムスの知らない所で機嫌を損ねることも度々ありました。
最終的に最初の嫁の座を勝ち取ったので、男女の間は距離が大事というのが良く分かります。貴族の娘らしく、ユリアの嫁入りも認めていますが、アルムスの寵愛を譲る気はないようです。
ユリア
高嶺の花であるロサイス王の娘です。リガルという同国の有力者と婚約していました。
普通に考えれば、出自不明のアルムスが彼女の夫となることは難しかったのですが、アルムスがテトラを娶り、アス家、つまり貴族となったことで話が変わってきます。リガル自身の失態も重なり、ユリアはアルムスの心を射止めました(政略結婚的にはグリフォン様の寵愛を受けているアルムスも中々の物件でしたからね)。
ベルメット
リガルの家臣。家中で割れる外様をまとめ、アルムスの策略も見抜きながらも、リガルの不信感をぬぐえず、自ら職を辞することになりました。最後の最後までリガルが信用しようとしていただけに、ジルベルトの自己中クソ男ぶりが際立ちました。
グリフォン様
何だかんだで面倒見が良い御方。
グリフォン様が直接戦に関わることはありませんが、アルムスが街に出た後も、残された村は庇護しているでしょうし、偶に供物を持ってこいというのも、顔を見せろという意味のツンデレでしょう。自分には使い道がないからと貴重な宝剣もくれますし、もうデレッデレですね。
見どころ – 好きなシーン
妻を弄ばれた男が、意地でもアルムスを戦に巻き込むために、ジルベルト兵の弓矢がアルムスに届くように逃げる描写は、胸糞悪い展開の中で、唯一良くやった、と思わせる描写でした。結局ベルメットの入れ知恵でリガルは白を切りますが、神明決闘でリガルが失脚していく遠縁になったので、亡き彼も報われたことでしょう。
身分が上がると、アルムス自身が戦う描写は減るでしょうから、フェルム王とリガルとの一騎打ちは、後世の歴史書に乗るような偉業として記されるかもしれませんね。
見どころ – 関係性、ここに注目!
幼い頃にユリアと出会った薬屋で想いを告げられるアルムスは、良いシチュエーションでしたね。即答できなかったのは男らしくないというべきなのか、内戦を苦慮して深慮だと考えるべきなのか迷うところですが。そういえばテトラのときも、好き好き攻撃を受けた上で、好きか、結婚したいか、と詰問されていましたね。……アルムス君、絶対尻に敷かれる性格だと思います。まあ、どちらと先に子作りするかで権力闘争が起きないように気を使う描写があったりするので、その場のノリで行動しないのは未来の王として評価すべきなのでしょうね。
ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!