本作『村人ですが何か?』は、
漫画:鯖夢先生、原作:白石新先生、キャラクター原案:白蘇ふぁみ先生による異世界転生漫画です。
目次
あらすじ
トラックに轢かれて死亡した主人公は、リュートとして生まれ変わります。転生した世界では、リュートの職業は『村人』だったのです…。
幼馴染のコーデリアは勇者、モーゼスは賢者で、仲良し3人組として日常生活を歩んでいました。でも、軽く握っただけでリュートを傷つけてしまうくらい、勇者の力は絶大で…。少しずつ、共には生きられないことが分かってきました。
ある日、モーゼスに毒を盛られて、リュートは命を落とします。実はモーゼスは転生者で、コーデリアと仲良くするリュートが気に入らなかったのです。しかしリュートは『死に戻り』というスキルを持っていたため、1回限りですが、転生直前の状態に復活が可能でした。
神の前に戻されたリュートは、再びスキルを選択し、リュートの人生をやり直すことになります。村人という職業が変えられないリュートは、『不屈』と『農作物栽培』のスキルを選択。またも生まれ変わったリュートは、勇者や賢者に対抗するために試行錯誤していきます…!
登場人物紹介
リュート
何もメリットがない職業・村人(変更は不可)に生まれ変わった男性。普通の鍛え方では職業適性上、村人が勇者を上回ることなどできないため、1回目の人生の知識をフル活用して奮闘する。MPを拡張したり、恵まれた師匠に師事したりして、12歳になる頃には、当時のコーデリアを上回る実力に。
いずれ勇者であるコーデリアに追いつかれてしまうことを知っていたリュートは、その程度で満足することなく、全力で先行逃げ切りを図るため、竜の言質を活用し、竜の里でさらに鍛えていきます。
コーデリア
1回目の人生では、強すぎてリュートと共に生きられなかった女性の勇者。2回目の人生では、コーデリアの試練となるべき敵を、リュートが倒してしまったがために、勇者としての成長が阻害され、弱すぎる勇者となってしまいます。
もちろん、弱いままで良いというほど世界は優しくなく、このまま弱いままなら世界は滅んでしまいます。そのため、コーデリアは甘さを斬り捨て、人を殺めることすら厭わなくなります。そのようなコーデリアを助けるため、リュートは奔走します。
モーゼス
コーデリアに執着する賢者。想定外のコーデリアの弱さをカバーするため、彼女に試練を与えますが、そのためにはリュートと一時的に手を結ぶことすら厭いません(もちろん、手を結ぶというよりは、リュートを利用する思惑なのでしょうが…)。モーゼスとリュートが、お互いに利用し合う「化かしあい」も見所でしょう。
転生者集団の中でも牽制しあう状況で、実は苦労人なポジションな気がします。
赤龍
小さな子の面倒を見たがる竜の気質を利用されたナイスミドルのおっさん。さんざん大物っぽい風格を示していたのに、竜の里に行ったら結構な小者でした。龍王様に不遜な態度をとるリュートと、冷や汗ダラダラで顔を伏せた状態の赤龍が対照的で面白かったです。
リリス
最初はリュートといがみ合っていましたが、奴隷紋の過去や竜の試練を経てリュートと仲良くなりました。自分のために、命を捨てても試練を突破しようとするリュートに、「一人で背負いこむな」と、リリスは泣きながらビンタを食らわせます。かなり重たい女になりましたが、思い返せばこの頃にリュートに惚れたのかもしれません。
見どころ – 好きなシーン
竜の里で修業したということもあって、リリスも常人よりは強いわけですが、コーデリアが必死に努力している様を見て、リリスは心が折れかけます。コーデリアに勇者という才能があっても、自分なら彼女に負けないという自負があったのでしょう。でも、自ら暗示をかけてでも強くなろうとしているコーデリアの決意に、リリスは及んでいなかったのです。
このままでは、リリスはリュートの隣に立つことはできなくなります。女性としても戦士としても、何一つコーデリアに勝るものがないからです。
リュートとリリスの関係を洗いなおす良いシーンだと思いました!
見どころ – 関係性、ここに注目!
リュートはコーデリアを救うために行動していますが、一緒に行動している期間は明らかにリリスの方が長いため、リリスの気持ちは募ってしまいます。
コーデリアが女性だと知って不機嫌になるリリスですが、指輪を左中指に貰って有頂天になるところがすごく可愛いですね。「別に右手につけてもいいぞ」と軽く言うリュートが鬼畜過ぎます。貴族行列に傅くリュートを見て、なぜ指輪の常識だけはないのか、とジト目をするリリスが悲しくも可愛らしかったです。もしかしたらリュートは知ってて惚けたのでしょうか。
ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!