本作『日本国召喚』は、
漫画:高野千春先生、原作:みのろう先生、キャラクター原案:toi8先生による異世界転生漫画です。
目次
あらすじ
日本国が丸ごと異世界へ召喚され、国と国民を守る為に奮闘する物語です。
異世界へ召喚された日本国はすぐに偵察を行い、近隣国であるクワ・トイネ公国が大穀倉地帯を、クイラ王国が油田を持っている事を確認して外交官を送ります。交渉の末に食料と燃料を輸出してもらえる事になった日本国は、それらを運ぶ為に整備が必須となったインフラを対価とします。
日本国は両国と友好を深めながら世界情勢を見極めてゆきたい姿勢でしたが、クワ・トイネ公国とクイラ王国がロデニウス大陸支配を目指すロウリア王国から宣戦布告され、クワ・トイネ公国ギムの町が占領されます。
日本国は憲法により戦争ができません。しかし国家存続の生命線となっている同盟国を失う事は出来ず、ロウリア王国を「武装勢力」と言い換え、同盟国で行われた非人道的な行為を見過ごせないという名目で派兵します。
ロデニウス大陸の文明は中世レベル。魔法があり、飛竜は口から火弾を吹き出します。対空装備が無ければ蹂躙されるばかりの大戦力ですが、自衛隊とは比べものになりません。圧倒的戦力差で蹂躙しながらも民間人への被害は抑え、ハーク・ロウリア34世を捕縛する事で戦争を終結させます。
訪れた平和に安堵し、周辺国との交渉を再開する日本国。そこで、この星の文明が国によって大きく違い、魔法に科学力を加えて発展を遂げた国がある事を知り、日本国に拮抗する文明の可能性に緊張が高まりますが、その前に魔王が復活して魔王軍が進撃してきます。魔物は人か獣か、彼らと「戦う」事は許されるのか、日本国の苦悩は続きます。
登場人物紹介
日本国
小さな島々まで一緒に異世界転移しました。航空偵察を行い、地球ではない場所に来てしまった事を知った日本国は、最初に食料と燃料の確保に動きます。そして静かに素早く周辺情報を集めて外交を始めますが、転移場所が辺境である事から大きな国ほど交渉が上手くいきません。
日本国は戦争をしたくありません。しかし燃料確保の為に発見した油田には油井があり、石油を使う国があるという事を示唆しています。列強国には自衛隊に匹敵する軍事力を持つ国があるかもしれません。情報収集によって世界が明らかになっていき、政府は戦わずに国民を守る事は困難と判断せざるをえませんでした。
日々過ぎる時を経て魔法に目覚める国民が現れ、自衛隊の脅威は広まり、避ける間も無く争いに巻き込まれて日本国は急激に成長変化してゆきます。
ハーク・ロウリア34世
ロウリア王国国王です。ロデニウス大陸支配の為、クワ・トイネ公国へ進軍するも、同盟国である日本国の自衛隊に反撃されて軍備を全て失い、本人は捕縛連行されてしまった、とても運の無い人。
王としてのカリスマと才能は十分あり、大きな文明差のあるパーパルディア皇国からの圧力も何とかしのぎ、ロデニウス大陸支配まであと一歩という所まで完璧に近い形で仕上げていました。しかし最悪のタイミングで日本国が召喚され、さらに日本国からの使者を軽く扱い、相手にしなかった事で全てを失います。暴君=カリスマ=孤独=イエスマン部下の典型的な王様です。
出演場所はだいたいお風呂でぷりけつ。王城に攻め込まれている時でさえバスローブ。彼が普通の服を着ているところを見る事なく退場してしまいました。
日本国を軽く見た事を後悔していたので、有能な腹心が日本国との交渉を成功させていたら人生が変わっていたかもしれないと思いました。
カナタ
クワ・トイネ公国首相。成人男性のエルフで、癒し系。おっとり気弱なタイプに見えますが、纏め役として優秀です。自己判断せず意見を求め、自分で考えて決める事が出来る理想的な首相です。会議では様々な意見が交わされ、当然のようにぶつかり合う意見も出ますが、彼の決定に断固反対する者が出ない事が首相カナタの優秀さを物語っています。
私事の情報をもっと開示して欲しいところ(嫁と子沢山希望)。
モア
トーパ王国北部に築かれた城塞「世界の扉」に常在する辺境警備隊(グラメウス大陸から訪れる魔物の侵入を防ぐ事が任務)の一員です。賢く、強く、優しく、気遣いもできる美男子エルフで、歴史と魔物に詳しいです。
復活した魔王の大軍勢と遭遇し「世界の扉」は崩壊。隊長命令によって幼馴染である傭兵ガイと共にトルメス城塞都市へ撤退します。魔王復活を進言し、周辺各国へと派兵を求めますが相手にされず、トーパ王国は魔王軍の侵攻を許してしまいます。
物事を理性で割り切る行動をしますが、情も理解しています。
ガイはエレイが好きですが、エレイはモアが好き、モアは二人を応援しています。
魔王軍の角折れレッドオーガ棘棍棒派&角ありブルーオーガ鎖棘鉄球派
阿吽な登場場面から胸を射抜かれます。顔、姿がとても格好良く、魔王軍幹部としてとても強いです。でも頭があまり良くありません(そこも愛らしいのですが)。
魔王様にご飯も作ります。エルフの骨を煮込んだ魔力回復シチュー…初めて聞いたメニューに戦慄しました。
彼らは魔王様のさらに上に居る魔帝様を尊敬して、復活を望んでいます。そして魔王軍を退けた「太陽神の使者」を恐れています。
そのため、日本国旗の赤い太陽を見てレッドオーガは涙目になるのですが、装甲戦闘車の35ミリ機関砲で自衛隊により撃ち抜かれてしまいました。別所ではブルーオーガが無反動砲で木っ端微塵に…(悲しい)。
見どころ – 好きなシーン
ロデニウス沖大海戦です!
ロウリア王国海軍4400隻の大艦隊 vs 自衛隊。自衛隊は撤退を求めますが応じるはずもなく、ロウリア王国海軍は火矢を撃ちかけます。この攻撃に対しての「正当防衛」として、自衛隊は反撃、ロウリア海軍は大きな打撃を受けます。
危機を感じた指揮官は本国へ竜騎兵の進撃を求め、250騎もの飛竜が飛んできますが、これをレーダーで捕らえた自衛隊が艦対空ミサイルで迎撃。空一面から飛竜の肉片が雨のように降り落ちる中、それでも撤退しないロウリア海軍は自衛隊に撃沈され、三分の一ほどを失ったところで敗走します。
大規模大戦で、見ごたえ十分です!
見どころ – ここに注目!
家宝の盾を持って出陣した重装歩兵の話です!
奥さんに家宝の盾を持って行ってと言われて「眉唾物じゃあ」と疑いながらも、奥さんが安心するならと持って出陣します(この優しさが死亡フラグかとドキドキしました)。
しかし彼は生き残ります!自衛隊の機関銃を盾で弾き、仲間が倒れゆく中を一人前へと進む彼は英雄になります。同胞は彼の姿を見て奮い立ち、雄叫びを上げて突撃します。
そうした最中、彼は妻に感謝していました。家宝の盾にではなく、持って行ってと言った奥さんに感謝していました。
仲間が戦う姿を見ながら、彼は力尽きて倒れます。家宝の盾も欠けて、ひびが入っています。起き上がらない彼…死んでしまったのかと悲しくなりましたが、彼は気絶していただけでした!
争いが終わり、彼は帰宅します。そして妻の姿を見て涙し、喜び抱き合います。この二人が良い夫婦すぎて泣きました!
ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!