本作『地味で目立たない私は、今日で終わりにします。』は、
漫画:住吉文子先生、原作:大森蜜柑先生、キャラクター原案:れいた先生による異世界転生漫画です。
目次
あらすじ
次期皇太子であるフレデリック皇子から、宴席で婚約破棄を言い渡されたエレイン。フレデリックの隣には聖女だという美しい女性・サンドラが…。エレインは公爵令嬢のくせに地味で亡霊のようであり、サンドラに嫌がらせをするような女性は次期皇太子妃としてふさわしくない、と言うのだ。
公爵令嬢の矜持を持って、優雅に婚約破棄を受け入れたエレインだったが、家に戻ると厳格な祖父から公爵家追放の目に遭ってしまう。トランクひとつで放り出されたエレイン、行くあてもなくこれから先苦労すると思われたが…。
実はエレインは前世の記憶をもつ転生者だった! そしてエレインは、街で評判の宿屋の美人女将という、もうひとつの顔を持っていたのである!
地味な表の顔を脱ぎ捨てて、エレインは本当の自分を楽しんでいくが、エレインには思わぬ力があることが発覚して…? 一方聖女と言われるサンドラの周りでは不穏なことが起こりはじめていく…!?
登場人物紹介
エレイン・ノリス(ラナ)
ノリス公爵家令嬢で、次期皇太子と目されていたフレデリック皇子の婚約者。
男尊女卑の激しい祖父からの厳格な教えで「女は目立たぬように」「男を立てろ」と幼い頃から言われ続けていた。そのため派手な服装やメイクをせず、控えめに目立たぬように過ごしていたので、周囲から「地味女」「影が薄すぎて透けて見えそう」などと陰口を叩かれるように。
ある日、前世でコスプレイヤーとして活動していた記憶が戻ったエレインは、そのコスプレ力を使い、「宿屋の美人女将・ラナ」という、もう1人の人物を楽しむようになっていく。
婚約者のフレデリック皇子から婚約破棄され、公爵家を追放されたことで、心置きなくラナとしての人生を歩めるように。
やがて彼女の作る料理には、人を元気にし、幸福感を与える力があることが発覚する。
ウィルフレッド皇子
青紫の瞳に、本当は金髪をしているが、普段は髪を黒に染めている。第一皇子だが、側室の子であるために、正室の子である弟のフレデリック皇子と比べると冷遇されている。食事に毒を入れられたこともあるらしく、食べるものには気を使っている。
高度な治癒魔法の能力を持っていて、エレインが婚約破棄の場で脚を酷く怪我した際に、退出したエレインを治癒してくれた。
権力争いに巻き込まれないように、地味に目立たぬよう自分を演出している点で、エレインと共通点が窺える。
ウィルフレッドは、エレインに「ラナ」と呼びかけるが、宿屋女将としてのラナを知っている訳ではなく、エレインのミドルネームを知っているだけの様子。
どうしてエレインのことを「ラナ」と呼ぶのか、エレインの記憶にある「青紫の瞳の男の子」はウィルフレッドなのか、今後謎が解けていくのが楽しみなキャラクターです。
シン
ラナ(エレイン)がオーナーをつとめる宿屋『妖精の宿木亭』の料理長。顔はイケメンだが、ぶっきらぼうで愛想なしの19才。ラナにちょっかいをかけてくる客がいると、睨みをきかせて牽制するために、常連客からは「虫除け」と揶揄されている。
体が弱い弟・タキの面倒を見ながら働いていたが、勤務中も様子を見られるようにというラナの好意で弟を宿屋に連れてくるように。非常に脆弱で、骨と皮しかないのではと思われたタキは、ラナの食事を摂るようになってから劇的に回復。みるみるうちにシンと変わらない体格にまで成長する。そんなタキの姿を見て、シンはラナに感謝すると共に、好意を見せていくようになる。
ぶっきらぼうだけどラナに見せる優しさに、キュンとすること間違いなしのキャラです!
千代
外国から来たという少女。日本風の着物を着て、「オニギリ」という食べ物を路上で販売していたが、見向きもされずにいたところをエレインに声をかけられる。そのオニギリを食べたことで前世の記憶を取り戻したエレインにスカウトされて、ラナの経営する宿屋『妖精の宿木亭』の看板娘として働くことに。
元気いっぱいの可愛い少女で、ラナの妹的存在。
タキ
シンの弟で17歳。病弱だったのをラナに救われて、12歳くらいだった見た目が一気に成長。元気になってからは、タキは宿屋で従業員として働くようになる。
昔から人のオーラを感じ取れる不思議な能力があり、病弱になったのは昔近所に住んでいた女の子の漆黒のモヤに触れてしまったせいだと言う。一方、ラナのオーラは夢に出てきた女神の輝きだと話す。
彼の不思議な力が、エレインとサンドラの謎を解く鍵になっていくのか、注目です。
見どころ – ここに注目!
どうやら女神の力を持っていると思われるエレインが、その不思議な力を込めた食事で皆を元気にしていくところが見どころです。病弱で今にも死にそうだったタキが、一気に成長してかっこいい青年になるところは予想外で驚いてしまいました。そして、婚約破棄の場では、エレインに対して頭を押さえつけるなど暴力を働いたエヴァンも、宿木亭で食事をした後は前のように思慮深い青年になるところから、きっとこの先エレインは女神の浄化の力をもっと発揮していくのではないかと思います。
対してサンドラの力にも何か裏があるようで、その化けの皮が剥がれていくことが期待されます。
見どころ – 好きなシーン
宿木亭のみんなが、ラナが本当はエレイン・ノリスという貴族令嬢だということを知っても、何も変わらず接してくれるところが読んでいて好きなところです。「貴族だと知られたら一線を置かれるかもしれない」とビクビクしていたエレインが本当の自分を見せられて、本当に良かったなと心から安心しました。
ウィルフレッド皇子にも、ラナがエレインだということを早く打ち明けて、2人が結ばれてほしいです。そしてフレデリック皇子とサンドラが痛い目にあう展開を期待しています!
ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!