劣等眼の転生魔術師 ~虐げられた元勇者は未来の世界を余裕で生き抜く~ あらすじ・キャラ・見どころ紹介!

本作『劣等眼の転生魔術師 ~虐げられた元勇者は未来の世界を余裕で生き抜く~』は、
漫画:峠比呂先生、原作:柑橘ゆすら先生、コンテ:猫箱ようたろ先生、キャラクター原案:ミユキルリア先生による異世界転生漫画です。

あらすじ

 強すぎる味方は、魔王という外敵を駆逐した後、対処に困る内憂になってしまいます。

 主人公のアベルは琥珀色の目をもっており、それは長い年月の修行を経て、最強に至ることができる力を持つものでした。しかし、琥珀色の目は魔族の多くが持っており、魔王を倒した平和な時代では、恐怖の対象となっていきました。周りが怯えることを理解したアベルは、この無知で未熟な世界に失望しつつ、未来に想いを馳せ、200年後へ転生する魔法をかけるのでした。

 転生魔法が無事に発動し、目覚めたとき、一人の魔族の女性がいました。かつて魔王の娘というだけの理由で命を狙われていたとき、アベルが庇い、逃がしてあげた娘です。彼女はアベルを信奉しており、200年後の世界でも彼を保護していたのでした。

 魔族の企みにより魔術師の能力が低下した200年後の世界で、アベルは平穏な生活を求めますが、稀有な才能が魔族に知られないわけがなく……次第に命を狙われていくのでした。

登場人物紹介

アベル

 元々は無能に関わることもないような性格のようですが、才能は乏しくても人懐っこいテッドのおかげで、人としての感性を手に入れていきました。それは甘さ、という弱点にもなりかねませんが、アベルの突出した魔術の才能のおかげで、当面は問題が起きることはないでしょう。

 過大能力でやってしまった系描写もありますが、本人が真面目な賢者なのでアベルのコミカル描写は少なめです。そのあたりはテッドの役目になっていますね。

 自身を信奉するリリスと、アベルの新しい体はかなり年齢差があるような気がしましたが、転生後のアベルは表面上は淡泊に見えて、夜は肉食系のようです。

 かつて無双した賢者が復活してというお話を見て、劣等紋のガイアスさんを彷彿してしまいましたが、主人公の性格からして世界観が同じなのかもしれませんね。

テッド

 はじめはただの賑やかしかと思いましたが、何だかんだでアベルの相棒……は言い過ぎですが、隠れ蓑的ポジションになっていますね。アベルの功績をテッドに擦り付けることで平穏な生活を維持するのです。とはいえ、早々にエマーソン先生にはアベルの非凡な才能がバレてしまっているので、シナリオの縦軸に関わるほどの重要人物になりきれていないのが残念かもしれません。

 赤点ギリギリでいつもヒーヒー言ってますが、アベルが苦手な対人関係能力が高く、意外と重宝しているのかもしれません。

ノエル

 興味のない人には完全無視を決め込む氷の女王です。才能を認めた相手には子犬のように懐いてくる様子は可愛らしかったです。

 水の勇者の末裔で、レベルが落ちたこの世界の魔術師としてはアベルに認められるくらいの資質はあります。戦争で失われた100年前の古書を見つけてもってきてくれる有難い女の子ですが、エリザとアベルを巡って女の戦いを繰り広げられるのは大変迷惑です。

 アベルが人殺しの一線を越えようとしているのを見て、泣きながら留まらせるような優しい子でもあります(…蘇生復活できるアベルには無駄な涙でしたが…)。

エリザ

 ツンデレ系ヒロインです。

 火の勇者の末裔で、劣化するこの世界で、初代様の教えを忠実に受け継ぎ、能力が劣るとはいえ、初代様の技を使える稀有な存在です(当代有数の魔術師エマーソンに言わせれば、ゴミの中ではマシなゴミらしいです)。

リリス

 200年近くアベルを想い続けた重い魔族の女性です。

 出会ったときは30代のアベルと5歳くらいのリリスで、200年後はアベルが子供になっていました。年齢差で結ばれない2人かと思いきや、そんなことは大した問題ではないと言わんばかりに、リリスはアベルに猛アタックをかけます。アベルは淡々としてよく分からない性格ですが、跳ね除けず応じるあたり、悪しからぬ気持ちを持っていたのでしょうか。

見どころ – 好きなシーン

 かつて自分が使っていた無銘の剣が伝説の剣扱いされていました。持ち手として認められなければ呪われる厄介な剣です。今は人の命を大事にするアベルですが、かつて暗殺を請け負っていたこともあり、その過去と決別するためにも剣を破壊するのでした。淡々としたアベルが、その本心を語った心に響く良いシーンだと思います。

 また、なるべく目立ちたくないアベルは派手な戦闘を行いませんが、天に向かって大技を放つところは、かつての大魔術師を彷彿とさせる格好良いシーンですね。

見どころ – ここに注目!

 アベルが深い仲になったのはリリスとだけですが、肉体年齢的にはエリザやノエルの方が近いわけです。内面が分かり難いアベルは、彼女たちのことをどう思っているのか興味があります。アベルの内面は30代だから、彼女たちは恋愛感情から外れている可能性も捨てきれませんね。

 逆に彼女たちは水着シーンなどでアベルを悩殺しようと頑張りますが、リリス先生のド変態に片足つっこむような水着に持っていかれました。アレはまともな女性では着れませんね。

 ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!