本作『加護なし令嬢の小さな村 ~さあ、領地運営を始めましょう!~』は、
漫画:ひなた水色先生、原作:ぷにちゃん先生、キャラクター原案:藻先生による異世界転生漫画です。
目次
あらすじ
人気乙女ゲーム『アースガルズの乙女』の世界に転生した主人公は、転生を喜びましたが、残念ながらヒロインではなく悪役令嬢・ツェリシナに転生していました。『祝福の印』を授かり、神々の恩恵を持って領地を治めていくのが当然の世界で、彼女は加護を得られなかったのです。
きっと自分は婚約破棄されるだろうと考えたツェリシナは、代わりの伴侶を探しますが、マザコンや暴力男など碌な相手はいません。侯爵令嬢なのだから政略結婚は防げませんが、それでも愛を求めるのは人の性というものでしょう。
まだ婚約者のソラティーク王子は自分に愛情を示してくれますが、いつまでそれが続くのか分かりません。ツェリシナは将来のために父に頼み込んで領地経営をさせてもらうことにしました。領地と言っても地図にも乗らない出来立てホヤホヤの村ですが、加護なし令嬢・ツェリシナの領地運営はここから始まるのです。
登場人物紹介
ツェリシナ
悪役令嬢役ですが、何だかんだでソラティーク王子に溺愛されています。そのような王子の前で、お見合い相手の書類を出したままのツェリシナは脇が甘いです(まあ、自分になびかない令嬢に嫉妬心を燃やす王子もアリですけれど)。
最初に出会う有能な少年執事と神獣様とくれば、ツェリシナの植える大樹(村の発展のため、領地で育てるのがこのゲームの醍醐味)が育たないわけがありません。実際には目の中に加護があったという秘密が明かされていくわけですが、頑張り屋のツェリシナなら、たとえ加護がなくても試行錯誤で大樹を育てたのではないでしょうか。下町にも平気で赴けるのは前世由来の強みですし、村人に慕われるのも大樹の成長に関係あるようですから、なおさらそう思いますね。
メリア嬢
乙女ゲーム『アースガルズの乙女』の主人公です。病弱故に、奔放に育てられました。王子に会いたくなればすぐに会いに行くアクティブさと、手紙を書きなさいと指摘されればすぐに従う素直さを持ち合わせています。
空回りしていますが、本人的には善意の暴走なのが辛い所です。
ソラティーク
ツェリシナ大好き王子。完全に婚約破棄されると思っているツェリシナには、どのような甘い言葉をかけても社交辞令だと思われてしまう、悲しい星の元に生まれてしまった王子です。ツェリシナが好きな薔薇を彼女だけに送るナイスガイですが、選ぶのが面倒臭いからだろうと誤解される可哀そうな男でもあります。それでもめげない王子が可愛く思えてきました。
ドレスが汚れたときも、メリアは侍女に任せてツェリシナを抱きかかえるほどの溺愛ぶりです。
ヒスイ
ツェリシナに救われた少年。ツェリシナを信奉しています。新しい村の名前を考えているツェリシナに、即答で『ツェリシナ村』を提案しました。残念ながら却下されてしまいましたが、何が悪いのか全然分からないところが可愛い男です。
名も無き失礼な令嬢
王子を狙っているので、ツェリシナのダンスを認めない器の小ささを見せますが、次に踊るメリアのダンスがあまりにも酷すぎて、思わずツェリシナのダンスの方が素晴らしいと褒めてしまいます。……失礼にも程がありますけれども。
見どころ – 好きなシーン
異世界で特産物といえば、マヨネーズかポテトチップスです。村で取れたジャガイモを加工して街で売るツェリシナには、悪意なく加護なしのレッテルが飛びます。
しかし、領主がどのような素晴らしい加護を持っていても、村人たちはどの領主にも助けてもらえませんでした。助けてくれたのは加護を持っていないツェリシナだけだったのです。
涙を流しながら怒るオデットと、自分たちの失言を素直に謝る街人たちのやりとりは胸を打ちますね。自分を認めてもらえればそれで良かったのですが、なぜか女神扱いされるのは……多分ヒスイのせいです。
見どころ – 関係性、ここに注目!
ツェリシナは婚約破棄されると思っていますが、どう読んでもソラティークは彼女を見捨てる気はないでしょう。サプライズでツェリシナのプレゼントを選ぶために他の女性を連れて行った点は迂闊だとは思いますが、そのサプライズを自分で漏らしてバレてしまうくらいなので、多分何も考えてないだけだと思います。
この手の物語では一番身近にいるヒスイとフラグが立つ場合もありますが、本作では本命の王子と破局しない限りは難しいでしょうね。
ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!