転生して田舎でスローライフをおくりたい 作品概要・あらすじ

本作『転生して田舎でスローライフをおくりたい』は。
漫画:小杉繭先生、原作:錬金王先生、キャラクター原案:阿倍野ちゃこ先生による異世界転生漫画です。

あらすじ

サラリーマンの伊中雄二は、日々の過労が祟り交通事故にあって死んでしまう。もし生まれ変われたなら田舎でのんびりと暮らしたい。その想いが届いたのか神様に異世界へ転生することに。

アルフリートとして第二の人生を与えられた伊中雄二は、今日ものんびりと雲を眺めている。

スロウレット領男爵家の三男として生を受けたアル。栗色の髪、茶の瞳、そして死んだ魚のような目。第二の人生は社畜にならないために魔法を修めて極力堕落的に生きていこう――こうしてアルののんびりスローライフが始まる。

凄腕の元冒険者の両親、うるさい姉、優しい兄、賑やかな使用人達に囲まれた自然豊かな田舎領地。そんな長閑な場所で様々な事件が起こるのだが、その中心には必ずアルがいた。

貴族と魔法と何もない田舎で繰り広げられる、アルの老後へ向けたスローライフを描いたほんわかファンタジー作品です。

登場人物紹介

アルフリート

アルフリートはスロウレット家次男として誕生した前世伊中雄二の記憶を持つ男の子。過労死した経験から赤子の時には既に死んだ魚の様な目をしており、成長した今もぼーっと過ごすのが大好きで悠々自適に日々を過ごしています。ただ怠惰に甘えるだけではなく、将来働かなくても生活ができるように様々な娯楽品や料理を開発することで、子供ながら権利者として定期的な収入を得ています。アルの発明によって異世界に娯楽が溢れ、またその娯楽を通して親しい友人が増えていく物語はとても楽しく読み進められます。

娯楽と料理に関してはやたらと行動的になり、一切の妥協は許されません。卵焼きを作る際には偏屈な職人に専用のフライパンの製造を直談判しに行くなど、理想を追求し再現できるまで惜しみなく働くのですが、ひとたび基盤が整えば商会や職人に業務を丸投げして、自分は悠々と昼寝をする精神力の持ち主です。

ですが、貴族としては異端で、平民だろうと誰とでも従来の友人のようにすぐに打ち解ける性質で、領地の子供達とは川で遊んだり悪戯して一緒に怒られたりするなどある意味規格外なアルです。その性質は貴族にも発揮され、同等の男爵位から公爵位まで交流が広がり、気が付けば間接的に国王にまで気に入られる事に…。後に「玩具王」と称えられるまでアルの発明は経済的にも国に大きな発展をもたらしています。

エリノラ

エリノラはスロウレット家長女で赤茶のポニーテールが印象的な女の子です。スラっとした体形に鋭い眼光を持ち、自由奔放のように思えて剣術一筋の戦闘タイプ。その才能は目覚ましいもので、身体強化の魔法がなくても常人以上の俊敏性と怪力を出す事ができ、剣術稽古ではいつも兄弟を泣かせるほど。半面、魔法が苦手で基本の初級魔法でさえ加減が難しく大爆発をおこすなど不器用な面が目立ちます。また、外見の良さから求婚されることも。
しかし、根は狂暴な性格なのでいつもは悪戯をしたアルを追いかけまわすなど、本作のツッコミ役とオチを担当する事が多いキャラです。

シルヴィオ

シルヴィオはスロウレット家長男で金髪碧眼の少年です。雰囲気が大人びていて性格も穏やかで、普段は読書をして過ごすなど、姉弟と比べると心優しい存在です。アル同様に運動は苦手ですが次期領主として鍛錬は惜しまず、また学業にも専念する真面目な面もありますが、アルの影響せいか、たまに一緒にバカをやったり遊んだりと、一番子供らしい印象のキャラです。
また、アルが怒らせたエリノラの流れ弾をくらうなどのギャグ担当もこなす美味しいポジションの持ち主です。

バルトロ

バルトロは、スロウレット家に仕える料理人で筋肉質なおじさんです。冒険者時代の両親が知り合った友人であり、料理の腕前は日本社会で様々な料理を口にしてきたアルが絶賛するほど。気さくな性格でアルともすぐに打ち解け日々新しい料理の開発を一緒に行うほど仲が良く、時にはエリノラから逃げるアルを匿うなど友情を見せる場面も。
アルとの掛け合いと定期的に行われる料理発明は、読者間でも人気が高く、一から現代料理を再現していく過程は必見です。

ルンバ

ルンバは右目に眼帯を着けた大男で、茶色のたて髪と無精髭、がさつで大らかな性格が特徴の冒険者です。冒険者としての実力は一流で、ランクはB。軽く大剣を叩きつけただけでクレーターができるなど怪力を持ち、ただの枕投げで吹き飛ばされるなどして死屍累々に。しかし、困っている子供に私財を渡し無一文になって行き倒れるなどお人好しな一面もあり、強く優しいキャラとなっています。

見どころ – 好きなシーン

【アルの娯楽と料理の発明】
アルが転生した異世界には娯楽の類がまだ根付いておらず、また生活雑貨も大雑把なものでした。楽しくのんびりと充実した環境でスローライフを送りたいと考えるアルは、リバーシやトランプといった机上ゲーム
を普及させ民衆に流行らせることに。そして、卵焼きにパスタなど平民でも味わえる料理を考案し暮らしを豊かにしていきます。物語が進むたびに新たな遊びを生み出すので、飽きも来ず、娯楽を通じて増えていくキャラクターに注目の作品です。

【世界を回って観光を楽しむ】
田舎遊びに興じているアルですが、作中では季節が巡っているので当然成長もしていくわけですが、中には領地から出て王都や他の領地に赴くこともあります。例えば、王都では都会ならではの買い物や貴族との交流を。他の領地では、その町の特産を味わい尽くすのがアルです。また、移動中でさせ娯楽を作って遊んだり、冒険者と一緒にモンスターを狩ったりと目まぐるしくも楽しい時間を過ごしているのでおススメです。

見どころ – 好きな関係性

【アルとラーナの兄妹のような関係性】
王都で出会ったミスフィード公爵家三女のラーナ、通称ラーちゃん。4歳と幼いですが元気溌剌で目新しいものに興味津々なお年頃です。アルとの交流を得て「駄メイド」などの言葉遣いを覚えてしまい、ラーナの姉シェルカに怒られてしまうアル。何かと問題事の多いアルをシェルカは警戒から敵対視していますが、魔法の才に長けたアルにラーナは物凄く懐いてしまい、ラーナと遊ぶ度に勘違いを生みアルはシェルカの不興を買うことに。妹のような存在感を放つラーナの可愛さと、堅実のようで堕落へ向けた魔法の活用法を伝授するアルの構図はとても和やかな光景で、人気の高いコンビとなっています。