聖者無双 あらすじ・登場人物・見どころ紹介!

本作『聖者無双』は、
漫画:秋風緋色先生、原作:ブロッコリーライオン先生、キャラクター原案:sime先生による異世界転生漫画です。

あらすじ

 不運にも命を失った主人公は、神の賭け事に巻き込まれる形でルシエルとして異世界に転生しました。「治癒士」として草原に投げ出されましたが、魔物が跋扈する異世界で戦う力もなく恐怖に慄きます。ルシエルは、必ず天寿を全うするのだ、強く決意します。

 意気揚々と冒険者ギルドに登録して冒険を始める主人公が多い中、ルシエルはお金を払い訓練を始める慎重派でした。命は一つしかないですし、戦う力のない治癒士なので理解できる選択です。

 ギルド教官のブロドに鍛えられ、物体Xというドブ味(?)のような薬品を飲んでいくうちに、ゆっくりではありますが、着実に成長していったのです。

 この世界では治癒に高いお金が必要で、治癒士は腐りきっていました。安価で治療するルシエルは次第に治癒士に目をつけられていきます。

 この世界でドMゾンビな治癒士として名を馳せていくルシエルの活躍に乞うご期待ください。

登場人物紹介

ルシエル

 冒険をする前に訓練をして、という主人公は何人かみたことがありますが、ルシエルは1年間という長いスパンで訓練する慎重派、なかなか稀有な主人公です。

 戦闘力のない治癒士として転生してしまった以上、仲間を募るか、自衛力を持つしかありません。でも、ルシエルは最初、荒々しい冒険者が苦手でしたし、この世界では治癒士が疎まれていたので、選択肢は多くはなかったのです。(悪徳治癒士の元で働くことも、あり得る未来の1つだったのでしょうが、自衛力がないまま、そこで働いていたとするとルシエルの未来は暗かったでしょうね。)

 ルシエルは訓練後、悪徳治癒士の企てで聖シュルール教会に移ります。栄転なので断りにくく、半ば強制的に巣立たされてしまいますが、ルシエルがブロドに鍛えられ、レベルの低さを技量でカバーする実力者だということが判明していく様子は、カタルシスの解放を得られるでしょう。

 物体Xを毎度飲み干す彼は、ドMの称号を獲得しました。その後も、聖者だけど変人なので、聖変様になったりします。決して格好良い称号は与えられないのです。

ブロド

 鬼教官。強く厳しい彼は、ルシエルにとって親代わりとも言える男です。いくら強くなっても、さらなる壁として存在しており、いつの日か彼を上回れた日は感動を呼びそうです。

 厳しいだけではなく、過保護と言えるほどの慎重さも持っています。これは今までに救えたはずの冒険者が命を落としていった経験が生み出したものでしょう。冒険者は若い人が多く、そのような血気盛んな人は訓練なんて受けませんからね。(でも、物体Xを勧めたのは今でも嫌がらせだと思っています。)

グルガー

 冒険者ギルドの食堂マスターです。

 「何!? 物体Xというクソまずい液体を飲むヤツがいる!? よっしゃー、料理にも入れてやるよ……え?味?味見してないから知らないよ。」といった感じのキャラクターです。

 この物体Xというものは、元々教会に納められたものらしいのですが、余りにも臭すぎて冒険者ギルドに回ってきたものです。たちが悪いことに成長が促進される”らしい”ということしかわかっておらず、効果不明なのです。もはや罰ゲームなのです。

ルミナ

 最初にルシエルを救ってくれた女性です。女性騎士隊の隊長という高位身分なので、ヒロインというよりは憧れや目標といった方が適切でしょうか。

 ルシエルは最初に出会った縁で目をかけてもらい、聖シュルール教会に移った後は、部下たちの御褒美として彼女たちと会食したりします。

見どころ – ここに注目!

 【ルシエルの格好良いシーン】と、【物体X絡みのコミカルなシーン】が良い塩梅でバランスよく配分されています。一発ネタかと思った物体Xも、魔物を寄せ付けない効果があったり、レベルを抑制する効果があったり、そもそも作成者が過去の偉人だったり、話の縦軸に絡んできそうな要素がプンプンします。

 物語はルシエルの成長物語であり、ブロドとの絆が固まっていく様子は少しうるっとさせる場面もあります。頼りなかったルシエルが部隊の長となり、聖者として活躍していく様子をお楽しみください!

見どころ – 主人公の女性関係

 ルシエルの周りには綺麗な女性がたくさんいますが、一応教会所属ということで、手を出すという感じではなさそうです。でも、モニカやナナエラは明らかに好意を抱いていますし、ルシエルも悪しからぬ感情を抱いています。転生前の年齢に目を瞑って、年相応の微笑ましい距離感を楽しめるのではないでしょうか。あ、手紙を渡すの忘れていたギルド長は滅されても構わないと思います。

 憧れのルミナ様には、ドM治癒士、ゾンビ治癒士、治癒士のドMゾンビといった異名が伝わってしまいましたので、ロマンスはないと思います、残念!!

 ぜひ、読んで楽しんでみてくださいね!