盾の勇者の成り上がり 作品概要・あらすじ

四聖勇者として異世界に勇者として呼ばれた主人公、岩谷尚文(いわたになおふみ)は盾の勇者という不遇で職を与えられてしまいます。尚文とはまた別世界から来た勇者である北村元康(きたむらもとやす・槍の勇者)、天木錬(あまきれん・弓の勇者)、川澄樹(かわすみいつき・剣の勇者)は召喚先のメルロマルク王国の期待を浴びて活躍していましたが、盾の勇者は邪険に扱われるため、尚文は最初の仲間に冤罪をかけられてしまい、国王の怒りを買って追放されてしまいます。他の勇者が活躍する中、所持金も装備もゼロの状態から自力で鍛錬を積んだ尚文は、奴隷の少女ラフタリア、翼の生えた少女のフィーロを仲間に加えて、定期的に襲い来る「波」から現れる魔物を撃破しながら異世界を救っていく物語です。

登場人物紹介

岩谷尚文(いわたになおふみ)

岩谷尚文(いわたになおふみ)は20歳の大学生で、初期はネットゲーム好きでひょうきんな性格でした。ですが最初の仲間に身ぐるみを剥がされ強姦の冤罪をかけられるという裏切りに遭ってどん底に落ちてからは、ニヒルでやさぐれた性格になり、嫌いな相手が惨めな目に遭うとあざ笑うこともあります。やられたらやり返す、嫌いな相手を貶める徹底ぶりを見せるため、時には周りにやりすぎだと止められてしまうことも。しかし困っている相手には手を差し伸べる根は優しいところがあり、また生真面目な性格でもあります。異世界に召喚された際に盾の勇者という不遇職を得てしまい盾以外の武器を装備できないのですが、防護力が非常に高いため、仲間を援護しながら戦います。全く攻撃手段がないわけではなく、憤怒の盾など負の感情から生まれる強烈な攻撃(カースシリーズ)で反撃を行うことができます。

ラフタリア

ラフタリアはタヌキに似た耳と尻尾を持つ亜人であり、マインに裏切られた後に尚文が買った奴隷です。波で両親と故郷を失い、最初は世の中に絶望していました。盾以外の武器が装備できない尚文はラフタリアをこき使おうと考えますが、尚文の根にある優しさに看過され、次第に心を開くようになります。強くなるにつれ容姿も成長していき、作中では容姿の整った美少女として描かれており、尚文には恋愛感情に近いものを抱いていますが、ラフタリアを娘のように感じている尚文には気がついてもらえません。戦いでは前線に立って剣を振るうためか、少し脳筋気味なところがあります。

フィーロ

フィーロは尚文が奴隷商人から購入したフィロリアル族の卵から孵った大きな鳥型の魔物です。四聖勇者である尚文に育てられることによって、成長するにつれて普通のフィロリアルよりも大きくなり、フィロリアルの上位種であるフィロリアル・クイーンへと成長します。言葉を覚えたフィーロは変身能力も併せ持ち翼の生えた人型にもなります。天使萌えの元康に迫られたりしますが、「やー」と拒絶するなど、好き嫌いははっきりしているようです。鳥の姿の時はスピードにバフをかけて蹴り倒すなど、パワフルな攻撃を行います。

北村元康

北村元康は槍の勇者として召喚された21歳の大学生。顔立ちが良いイケメンであり、女の子好きで正義感の強い性格でもあります。その分騙されやすいところがあり、尚文の冤罪を信じて罵倒したり、ラフタリアが無理矢理戦わされていると勘違いして尚文と決闘をするなど、根は悪人らしくないのに悪人になってしまうという、面白いキャラです。

マルティ

マルティは冒険者でありながら国王の娘でもあります。尚文の最初の仲間でしたが根は性悪で、最初は素直で優しいふりをするものの、尚文に強姦されたと嘘を言って盾の勇者を貶めます。その後は元康のパーティに入りますが、槍の勇者に嘘を吹き込んで尚文を襲わせるなど、傍若無人な悪党っぷりを見せてくれます。

見どころ – 好きなシーン

尚文と他の四聖勇者です。四聖勇者は性格に難があるものの、いずれも勇者らしい信念を持っています。ですが元から好待遇でチートまがいの力を得ている3人はやりたい放題です。元康は思い込みでよく尚文と敵対しますが、樹はパーティ内の最下位の少女に難癖をつけて追放するなど人間性を疑う場面もあり、比較的まともそうな蓮も仲間を道具としか見ないなど、ボロを見せることが多いものの、協力の必要があるときは協力し合う不思議な関係です。

見どころ – 関係

尚文は裏切りのトラウマで人間不信になり、最初は買ったラフタリアのことも信用していませんでした。ラフタリアは心と体が次第に成長していきますが、漫画版では一巻では少女でしたが、二巻では成長した姿となっています。しかし尚文にはラフタリアの成長が認識できず「この国はロリコンだらけだ」と言い放つほどずっと子供のままだと思い込んでいましたが、元康と決闘をした時に初めてラフタリアの成長に気がつき、その後から少し前向きになっていきます。初めて認識したラフタリアの本当の姿に戸惑う尚文と、尚文を全面信頼するラフタリアの姿は素敵な雰囲気でしたね。