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あらすじ
普通のサラリーマンだったゼンジロウは突然アウラに召喚されました。王配になって欲しいと懇願されましたが、それを受諾すると日本には戻れません。アウラは決断を押し付けることなく、一度は日本に戻し、ゼンジロウに考える猶予を与えてくれました。お世話になった人たちに挨拶を済ませたゼンジロウは、便利な家電などと共に異世界で生きることを決意しました。
異世界では王配として”何もしなくて良い”、いわゆるヒモ生活を約束されていましたが、王配という身分がそれを許してくれません。ゼンジロウやアウラの意図とは別に、政治的な思惑が彼を渦中に誘うのでした。ゼンジロウはサラリーマン時代に築いた根回し力や相手の思惑を読む力に長けており、見事にアウラのサポートをこなしていきます。理想のヒモ生活とはほど遠い生活ですが、可愛い息子が生まれましたし、ゼンジロウは今日も頑張るのです。
登場人物紹介
ゼンジロウ
普通のサラリーマンなので優男というのでしょうか。作中でも威風的な意味で侮られることがあるのですが、王配という身分だけに、侮られることを周りが許してはくれません。下手すれば相手の首が飛んだり、戦争の原因になってしまいます。一挙一動を気を付けなければならないのですが、サラリーマンのゼンジロウには戸惑うことが一杯です。苦労しながらも、それでも王配の役目をこなしていくゼンジロウを素直に凄い男だと思いました。
日本の価値観を持ってアウラ一筋に生きるゼンジロウですが、子供の数的な問題や政治的な理由で側室問題は避けられません。女性を侍らせてムフフという性格ではないゼンジロウには有難迷惑なのですが、はたして無難な落としどころを見つけられるのか楽しみですね。
アウラ
やはり正ヒロインはアウラでしょう。豊満なボディでゼンジロウを陥落させつつ、女王として威厳を保っています。知勇兼備で格好良い女性と呼ぶに相応しいですね。舞台設定上、王族の数が減っており、子作りは大事な役目です。そのため、身重になりゼンジロウに仕事を任せなければならない状況が発生します。当然、初めの条件では何もしなくて良い、という話だったのですが、ゼンジロウの優しさにつけこむように仕事を押し付けてしまい、彼女自身も気を病んでしまします。頼めば拒否らないゼンジロウだからこそ、器を超える負担をさせてしまわないか心配するのです。はじめは政略的な思惑だったアウラとゼンジロウですが、彼女もまたゼンジロウを大切に思うようになっていくのです。
ルシンダ
ガジール辺境伯家の長女ルシンダでしょうか。彼女がプジョル・ギジェンと結婚して家を出るときに、残された弟チャビエルにかけた言葉が心に刺さります。彼女は有能で、今までガジール辺境伯家を第一に考えてきました。でも結婚する以上、ギジェン家を第一に考えなければなりません。今後は自分を信用してはならない、とチャビエルに言い含めるのです。お人よしで少し頼りないチャビエルでしたが、きっと彼はここから成長するのでしょうね。
プジョル将軍
プジョル将軍です。有能だけど野心が高いプジョルは事あるごとにアウラの頭痛の種です。有能だから左遷するわけにもいかず、婚約候補から外した負い目もあり、ルシンダとの結婚を止めることもできませんでした。中央の有力者プジョルの権勢は益々高くなり、場を面白くするキャラクターです。
フランチェスコ王子
フランチェスコ王子です。はじめはお調子者で王位継承権を持たない自由人という扱いで登場しましたが、話が進むうちに重要人物になっていきます。まあ、周りが重要人物に祭り上げているだけで本人は好き勝手に生きている気もしますが、どうなるのでしょうね。
見どころ
戦後まもなくということでカープァ王家の求心力が低下しているという舞台背景なので、ゼンジロウを祭り上げてアウラの権力を奪おうという政争が行われていたりします。ゼンジロウがその企みに気付き、フラグを折っていく様は痛快でしょう。舞台が王宮の外に出ると、アウラと頻繁に連絡することができず、ゼンジロウ自身の判断力が求められて生きます。必ずしもアウラの望む通りとはいかなくても、ゼンジロウはベターな選択をとれるところが有能たる所以なのです。
魅力的な関係性
これはゼンジロウとアウラの鴛鴦夫婦でしょう。いつまでも仲睦まじくいて欲しいものです。作劇上、そういうわけにもいかず、登場したのがフレア王女です。彼女は現代人感覚で好感触な人ですが、アウラとぶつからないかヒヤヒヤします。ゼンジロウとは時間をかけて少しずつ好感を上げている気がしますね。彼女自身も女性を卑下しない現代人ゼンジロウに惹かれている気がします。シャロワ・ジルベール双王国では分かりやすいハニートラップ要員が大勢出てきましたが、こういう女性にはゼンジロウは靡かない気がします。