目次
あらすじ
バウマイスター騎士爵家の8男として転生したヴェンデリンですが、貴族の末席では日々の食事にも困窮する状況でした。
幸運なことに魔法の才能があったヴェンデリンは、幼い身の内から危険な森に入り、狩りで役に立つのでした。
さて、バウマイスター騎士爵家は長男が継ぐことが決まっており、ヴェンデリンは冒険者予備校に入り、冒険者の道を志します。
その過程でブライヒレーダー辺境伯家の筆頭魔法使いブランタークと出会ったり、大空でボーンアンデッドを討伐したりして陛下と謁見できるような功績をあげていくのでした。
多くの報奨金を得たヴェンデリンですが、それすら大人たちの政争という名の都合に巻き込まれていくのです。
すでに親の爵位すら上回ったヴェンデリンは未開地が多いバウマイスター領を開発するために故郷に凱旋します。
年下のヴェンデリンが自分よりも偉くなったことに不満を持つクルトとの確執は、ついに埋まることなく……
登場人物紹介
ヴェンデリン
魔法の才能に恵まれ、アンデッドとなったアルフレッド師匠に教えを乞えたという幸運も重なり、ヴェンデリンを当主にという声が上がります。お家の事情でヴェンデリンは冒険者を目指すわけですが、領民からしてみれば優秀なヴェンデリンの方が望ましいのです。そういう意味では、この領地が荒れる要因はすでにあったのでしょうね。
バウマイスター領を出てからのヴェンデリンは少数精鋭の冒険者仲間たちと目まぐるしい功績を上げます。すでに名声を持っていたブランタークからも認められる腕前だったヴェンデリンは当然の如く有名になる運命でした。誤算だったのは、捨てたはずの故郷に関わる命令が下されたことでしょうか。まあ、能力もあり、爵位もあり、強力な後ろ盾もあるヴェンデリンにクルトが勝てるわけもなく、なるようになる運命なのです。
ヴィルマ
ヴェンデリンは貴族らしくハーレム(側室というべきか)を形成するわけですが、嫁の中ではヴィルマが良いキャラクターをしていますね。英雄症候群という病気を患っているため、強力な武力を持ちながら燃費が悪く、常にお腹が空いているキャラクターです。放っておくとその辺の山から食べられるものを探すような逞しさと、餌付けすると小動物のように一心不乱に食べ続ける様は可愛らしく思います。嫁力はめちゃくちゃ低い気はしますが、彼女を養える財力的にヴェンデリンは適任でしたね。
エリーゼ
ホーエンハイム枢機卿の孫娘ということで貴族教育がバッチリのエリーゼは正室としてピッタリですね。ヴェンデリンを尻に敷く雰囲気がプンプンします。絶対に怒らせてはなりません。元々、貴族教育を受けているということで側室に関して忌避感はないようですが、側室として相応しいか、という点でしっかりとチェックしているようです。彼女がいれば大奥的な序列は守られる気がします。ヴェンデリンの嫁は冒険者としての能力が求められることもあり、若干苦労していますが、彼女の聖属性はバウマイスター領のアンデッド対策で大活躍でした。
アームストロング導師
マッチョが活躍する漫画は良い漫画ぁ。ということでアームストロング導師です。完全に肉弾戦用と思われるキャラクターですが、導師と呼ばれるだけあって魔法戦のスペシャリストで頭も良いです。無駄に良いガタイで某錬金術のキャラクターを思い出しますけれど…
ルイーゼ
最初に出会ったルイーゼは、拳法家として頼りになる女性です。家を継げない彼女は、喜んでヴェンデリンの側室に加わってくるわけですが、ちんちくりんな容貌はヴェンデリンの好みと会っているのでしょうか。まあ、年下のヴィルマと体形が変わらない……いや、一部分が負けているのは如何ともしがたいものです。
見どころ①
クルトがヴェンデリンに嫉妬していく様は暗雲としますが、彼のおかげでイベントが発生しているので有難いキャラクターでもあります。もし、クルトが真っ当なキャラクターだったなら、この漫画が成立しませんものね。何様だ、とヴェンデリン(男爵)に偉そうに言うクルト君(騎士爵の”後継候補”)ですものね、滑稽ったらありませんよ。それでも彼に付き従ってくれる一部の熱狂者がいるのですから、利益誘導が如何に大事か分かります。まあ、最後は自業自得で破滅しますが、ヘイトを稼いでくれた分、気分爽快になれますね。
見どころ②
ハーレム系ですが、やはり嫁の中でも序列はありそうです。今のところは正室のエリーゼを中心としたイベントがなされていますが、ヴェンデリンが冒険者を続けるなら、戦えるヴィルマにスポットが当たっていくかもしれません。常識人のイーナは読者目線では有難いキャラクターですが、戦闘面では若干劣るので出番が削られるのですよ。
むしろ、一発ネタ要員だと思っていた槍術大車輪ことローデリヒが家中をまとめていく人物に育っていくのが感慨深かったりします。